星空探検大作戦
大熊と戦って北へ向かえ!


部下を引き連れた軍曹が、凶暴な人食い熊の住む山中で本隊から取り残されてしまった、
そんな感じの三流映画のタイトルみたいな雰囲気でのスタートとなってしまいました。

とりあえず、インパクトの強いタイトルをと思ったのですが、
ちょっとハッタリが強過ぎたかと反省しています。


何はともあれ、本題の星空探検に出発しましょう。
今回の探検先、タイトルの《大熊》 《北》とくれば、もうお察しの事と思います。
そうです、小学校の時に習ったアレです。
おおぐま座の尻尾のあたりにある北斗七星から、北極星を見つけるっていうやつです。


北斗七星っていうと私は《北斗の拳》を連想してしまい、何だか格闘技系を想像しちゃいますが、
日本では《七つ星》ななつぼしとか《柄杓星》ひしゃくぼしなどと呼ばれていたそうです。
こちらは平和的だし分りやすいですね。


ちなみに一番右端にある星を、昔の中国ではヒシャクの柄の先端にあることから、
剣の先端に見立てて《剣先星》けんさきぼしと呼び、この星のある方角を凶としたそうです。

この方角のパチンコ屋には、近づかない方が無難かもしれません。
でも、季節によっては、この《剣先星》が、頭の真上にきちゃいます。
そんな時は・・・、
パチンコ屋に行かないのが一番なんでしょうが、そんな事で行かなくてすむくらいなら、
私の財布はいつも安泰なんですけどねぇ。
「カーチャン、男にゃ行かなきゃならねぇ時もあるんだぜ! カンニンしてくれ〜。」

ところで、この七つの星には子連れが一人います。
七つ並んでる右から二番目がそれで、大きい方がミザール、小さい方をアルコルと呼ぶそうです。
昔アラビアではこの二つの星を、兵隊の視力検査に使っていたそうです。
当時はTVゲームもパソコンも無い時代だから、見えて当然だったのかもしれませんね。

日本では、小さい方のアルコルを《四十グレ》などとも言ったそうで、
四十歳を過ぎると視力が衰えて、見分けがつかなくなる、っていう意味なんでしょうか。
幸いまだ私には見えますが(^^;A、普通の双眼鏡があれば簡単に見分けられます。


おっと、大熊の尻尾でチョット道草をくってしまいました。
それでは、小学校で習ったアレの方へ行きましょう。


 

(図の上にマウスポインタをのせて下さい。)


エッ?
北極星は図を見りゃ分る?
そりゃ、ごもっともです。

それでは北極星はパスして、その反対方向を探検しましょう。

北斗七星の柄の方角へ、春の大曲線ってのが延びてます。

この大曲線、北斗七星が見つかれば、《グー・チョキ・パー法》で簡単に探せます。

まずは北斗七星の柄の先端の星《剣先星》から、柄の方向へ約30度の所にアルクトゥルス
そこから更に30度のあたりにスピカがあります。
30度っていうと、グー&パーでしょうか。
これで春の大曲線の完成!

アルクトゥルスとスピカが見つかれば、その二つとほぼ正三角形を描くあたりにデネボラがあります。
これで春の大三角もいっちょうあがりー!

実はこの大曲線と大三角、星座を簡単に見つけるための目印なんです。
アルクトゥルスは《うしかい座》、
スピカは《おとめ座》、
そしてデネボラは、流星群で有名な《しし座》の星です。

しし座は北斗七星のヒシャクの底の方を探すと、マークを裏返したような形の星達が見つかります。
そこが獅子の頭の部分で、デネボラは獅子の尻尾です。


おおぐま座(北斗七星)と しし座  5月上旬夜8時頃の天頂付近
(写真の上にマウスポインタをのせて下さい。)

春の大三角からは《うしかい座》 《おとめ座》 《しし座》といった、
代表的な春の星座を見つけられます。
是非、春の星座探しにもチャレンジしてみて下さい。



ところで、この舌を噛みそうな星の名前、いまいち馴染めないのは私だけでしょうか。

ちなみに古来日本ではアルクトゥルスは、《五月雨星》さみだれぼしなどと呼ばれていたそうです。
梅雨の頃に天頂あたりにあるからでしょうが、なかなかいい感じですねぇ。
白く輝くスピカは、《真珠星》と呼ばれていたそうです。
こちらもいいッスねぇ。

そういえばこの二つの星、ペアで《春の夫婦星》という呼び名があるそうです。
0等星でオレンジ色に力強く輝くアルクトゥルスと、真っ白に輝くスピカ。
いやー、何とも仲むつまじくて微笑ましい・・・
ア〜ッ!
コリャまずい!
いくら何でもヤバイですよ。
しらばっくれてデネボラのヤツがチョコンといるじゃないですか。

これじゃ《春の大三角》じゃなくて《春の大三角関係》だぁ。
コリャ、今夜は荒れるぞ〜。




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