夜のレタッチ大作戦


私、かなりモノグサな方ですが、星の写真は必ずレタッチしてます。

もちろん、昼間撮った鳥や花だってレタッチします。
でも、それは必要な時だけで、ほとんどはトリミングやリサイズのみ。
せいぜいがんばっても、露出の過不足をチョコッと直す程度。
ホントは、もっと丁寧に仕上げなければいけないんでしょうが、正直いって
「どうイジッテも大差ねーよな〜。」
ってのが、本音です。

ところが、これが星となると、話は別。
レタッチなどの画像処理でガラリと変わります。
ガラリと変わるから、やっていて面白い!

私が使ってるソフトは、デジカメのオマケにもらった《フォトショップLE》で、
かの有名な《フォトショップ》の機能限定の廉価版。
元祖が欲しいよ〜。

とりあえずは、廉価版を使った《夜のレタッチ》を紹介しましょう。

ところで、ここで紹介する方法より、もっといいやり方もたくさんあると思います。
「オイオイ、こんなのよりこっちの方がいいんだよ。」
なんていう方は、どうぞ教えてください。





コンポジット
デジスコで星を撮るといったら、やはり月のクレーターや、土星の輪や木星の縞模様などの惑星。
でも、デジスコで撮った惑星は、何だかザラザラしていてイマイチな感じ。
そんな時は、やっぱりコレでしょ。
ザラザラがシルキーに早変りします。
それから、コンポジットには、RegiStaxという有名なフリーソフトもあります。
手作業じゃ面倒と言う方は、そちらもお試しください。




ダークフレーム処理
デジカメで星座などを撮る時、シャッターをBulbにして長時間露光をすると、
デジカメ特有のチカチカ・ノイズが出てきてしまい、写真などと言える代物ではなくなってしまいます。
以前は諦めていたのですが、コレを覚えてからは、星さえ出てれば夜空にデジカメを向けてます。
チカチカ・ノイズがサッと消えて、運がよければ、流れ星なんかもゲットです。






コンポジットの手順

まずはコンポジットの効果を見てください。
これは8枚の木星の画像を重ねて平均化したものです。




準備する画像は、なるべく短時間に撮影した物で、多ければ多いほど良いです。
でも、写りの悪い物は除外する。

まずは、フォトショップで、重ねあわせる二枚の画像を開きます。

まず、どちらか一方を、メニューバーの《選択範囲》の《全てを選択》で選択してコピーします。

それを、他の一枚にペースト。

この先は、下のフォトショップ画面を参考にしながら、進みます。

@ナビゲータ画面で、重ねやすいよう、拡大します。
Aツールは《移動ツール》を選択。
Bレイヤーのモードは《差の絶対値》を選択。
  《差の絶対値》とは、基本色と合成色のそれぞれの色が取り除かれるっていう、何だか分かり難いモードですが、
  早い話、まったく同じ画像が重なると真っ黒になるモードで、これを利用したのが次に紹介する《ダークフレーム処理》です。
  レイヤーのモードは、《通常》でもいいのですが、私の場合《差の絶対値》にした方が、作業がしやすい感じです。
C不透明度は50%。

  この状態で、マウスを操作して、ちょうどいいと思われるように重ね合わせます。
  この時点では、大切な惑星画像が黒っぽくなってしまい、少々寂しい感じですね。

Dレイヤーのモードを《通常》にします。
  これで暗くなった惑星が元通り明るくなり、さらに美しくなりました。

フォトショップ画面

Eメニューバーの《レイヤー》の《画像の統合》でレイヤーを統合すれば出来上がりです。
Fもちろん最後に、画像を保存して終了です。

あとは同じ作業の繰り返しですが、例えば8枚の画像を合成する場合、
下図のような順で合成するのがいいそうです。







ダークフレーム処理の手順

まずはダークフレーム処理の効果を見て下さい。
下の画像は、分かりやすいようにピクセル等倍になってます。

ダークフレーム処理は、とてもカンタンです。
処理前の画像から、下のノイズだけが写っている画像を引き算して、ノイズを消す方法です。

この、ノイズだけが写っている画像の事を《ダークフレーム》と言います。

ダークフレームの作り方は、デジカメのレンズに光が入らないようにして、
夜空を撮った時と同じ時間、シャッターを開けていれば出来上がり。
私はレンズキャップをして撮ります。

ノイズの出具合は、シャッターの時間によって変わりますが、
温度によっても多少変わるような気がします。
私の場合は、月一回くらいはダークフレームを作り直してます。

処理方法は、ノイズだらけの夜空の画像の上に、
コピーしたダークフレームをペーストして、
レイヤーのモードを《差の絶対値》、
不透明度を50%前後にして合成すれば終了です。

フォトショップ画面


もちろん最後にレイヤーを統合して、保存も忘れずに。






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