時空探検大作戦
プロローグ
また、やってしまった。
インターネットで、いつものお店巡りをしていて見つけてしまった。
《《数量限定!》》
数に限りがございます、ご注文はお早めに。
オレは、この言葉になんて弱いんだ。
とりあえず、在庫の確認だけでもと、電話したのが間違いのはじまりだった。
>もしもし、あのー、ホームページの[特売品コーナー]を見たんですけどVC200LDG-SXW って、在庫ありかすかぁ? >ハイ! ちょっとお待ちください。 ・ ・ ・ お待たせしました、まだ在りますよ。 ーーーエッ? 「まだ在る」 だって。・・・って事は残りわずかってことかい。−−− >これって、税込み・送料込みで極軸望遠鏡もサービスなんですか? >はい、数量限定でのサービスになっておりますが、すべて込みで、今ならXXX,XXX円 でございます。 ーーーエッ? 「今なら」 だって。・・・って事は後でじゃダメってことかい。ーーー >すいません、そっ、それ売ってください! あ゛〜! 買ってしまった。 どっ、どーしよ〜。 この間、レンズ買ったばっかだから、今回は究極にヤバイよ〜。 そして翌日・・・ |
>ちょっとアンタ、なんだかスゴイ荷物が来たけど何なのよ、コレ? >ありゃ、ホントすごいねぇ。 なんだろーねぇ。 おや? コレは天体望遠鏡だぞぉ。 コレって、オレが欲しかったヤツじゃあないかぁ。 ウワー、何だか偶然だけどウレシイなぁ〜。 >なにトボケてんのよ、またアタシに内緒で買ったんでしょ。 ちょっと、どーすんのよ。 家の中じゅうアンタのガラクタだらけで、これ以上こんな物置いとく場所なんて無いわよ。 |
ーーー ゲッ! スットボケ作戦は失敗か、やはり手強いなぁ。 ならば更なる作戦で。 −−− |
>分った、ならば話そう! 妻よ、こっちへ来て座ってくれ。 オレは今までの人生の48年間、人様の役に立てることがなかった。 が、これからの人生、少しは他人の役に立ってみたい。 そこで、この天体望遠鏡を使って、地球の平和を守る手助けをしたいと思う。 コレで宇宙を監視して、万が一、不信な飛行物体や、危険な流星や小惑星を発見したら、 すぐに交番に連絡したいと思ってる。 こんな些細な事で人類の平和に一役かうことができれば、オレはそれだけで幸せなんだ。 妻よ、分ってくれるか? >バーカッ! ったく、また訳の分らないこと言い出して。 都合が悪くなると、いつもコレなんだから。 勝手にしなさいよ。 だけどねぇ、今日中にちゃんと片付けといてよね。 あっ、それから明日は不燃ゴミの日だから、今度こそは忘れないで出してよ。 家の中じゅうアンタのガラクタと出し忘れのゴミだらけになっちゃうじゃない。 ったくもー。 |
やったぁ〜! スットボケ作戦(その2)大成功。 天体望遠鏡よ、この家でオレサマの次にエライ女房からも認められたぞ。 これでお前も我が家の一員、仲良くやっていこうぜ。 よーし、今夜からはコイツで遊びまくりだ〜。 という事で、天体望遠鏡の購入作戦は大成功。 いよいよ《時空探検大作戦》のスタート。 ところで、何が時空なのかって? はい、それはまた後日ということで。 物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは、チョットしか関係ありません。 |
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